蔵人便り

SINAPによる復興レポート -今期の新酒出荷日決定-

 

2011年09月16日 3ヶ月振りに気仙沼の漁港を訪問している。依然として漁港付近には、津波の被害を受けた住居や商業施設が残されたままとなっていた。
陸前高田は瓦礫が一点に集められ、一見すると片付けられた土地は新たな土地として生まれ変わろうとしている様にも思えるが、それに比べると気仙沼はまだまだ 震災の爪痕が生々しく残っている。もっとも、陸前高田も瓦礫を一点に集めてはいるものの、全部片付けるにはまだまだ時間がかかるという事だ。
 
しかし、気仙沼漁港も復興への道のりを着実に歩み始めている。7月には鰹の漁が再開され、そして8月の終わりには気仙沼の秋の風物詩でもある秋刀魚漁も再開している。今年は美味しい秋刀魚が食べれるのだろうかと少し心配していたが、秋刀魚漁が再開されたことは嬉しい限りだ。
漁港の入り口にある「お魚市場」が営業を再開し、気仙沼産の秋刀魚や鰹が並び、冷蔵便をつかった地方配送もおこなっている。その横では食堂も営業をしており、新鮮な気仙沼産の魚を食べる事ができた。
漁港が以前のように営業を行えるまではまだまだ時間はかかるだろうが、訪問する度に明るいニュースがあり、私たちも励まされる。ここに住む人たちの復興へ向かう力強さは、時間はかかるが必ず復興できるだろうと思わせてくれる。
 

酔仙酒造も復興に向けて一歩一歩すすんでいる。今回製造担当の金野泰明氏から聞けた言葉は「今期の雪っこの出荷の日程がおおよそきまりました。」という嬉しい連絡だった。

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前回訪れた時に、ようやく洗米できる目処がたったと泰明氏から連絡を受けたが、その後やはりいろいろなトラブルがあり、9月5日に予定された初洗米は1週間遅れの09月12日となった。醸造担当が運営するTwitter @suisen_kurabitoの「洗米なうー」というツイートが印象的であった。
蔵に設置された大型洗米機が利用できないことがわかり、蔵の奥から持ち出した洗米機を急遽利用する事になったのだから、予定通りに行かないのも納得だ。
さらにこの日初めて聞いたのだが、その洗米機もなんとか洗米はおこなえるものの、機械の中に大量の米が残ってしまい、どうにもうまくいかず泰明氏の悩みはつきなかった。
そんな時、酔仙酒造を窮地から救ったのは以前からつきあいのある酒造メーカだった。岩手県八幡平の酒造メーカー「株式会社鷲の尾」から泰明氏宛に「洗米機あるけど使いますか」という申し出を頂き、前日から使い始めたという。そしてようやくトラブル無く洗米を行える様になり、仕込を進めているということだ。。 酔仙酒造を支える方々というのは本当に全国にいるのだなと改めて実感させられた。
 
訪問した時は、三段仕込みの二段目まで終わっていた。次の仕込みで三段仕込みが全て終了し、その後は温度管理をして「あとは酵母がしごとをしてくれる」と泰明氏。このままいけば、本年度の「雪っこ」は10月中旬に初出荷の見込みだ。
 
ようやく仕込みが終わる事に泰明氏はほっとしているようすだった。慣れない醸造設備での仕込みは肉体的にかなりキツいものであり、また日々起こるトラブルに対応するため精神的にもつらいというのは良くわかる。
「新酒を10月に出荷する」という事実は酔仙酒造にとっても、ファンにとってもこの上なく喜ばしいことであり、事実ホームページにもたくさん酔仙ファンの喜びの声が寄せられた。
その裏には酔仙を支える同業者やファンがいて、何より酔仙酒造社員の復興へ向けての強い意志とたゆまぬ努力があるということを忘れてはいけないなと強く感じた。
 
株式会社シナップ 柿内 暢昌

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