蔵人便り

SINAPによる復興レポート -本格的な再始動-

09月02日 初めて金野社長を訪ねてSINAPが復興のお手伝いをすることになってから、3ヶ月、あの大震災から半年が経とうとしていた。訪問している陸前高田やその周りの地域で、すこしづつではあるが復興が進んでいることを実感する事ができた。6月初旬に訪問したとき気仙沼漁港の被害は、私が想像していたものより遥かに大きかった。それでも、それから1ヶ月も経たないうちに鰹の水揚げが始まっていた。陸前高田の隣町大船渡では7月の初訪問時にすでにスーパーの臨時店舗がオープンしており、そこでは数は多くないが大船渡産の魚が店頭に並んでいた。
隔週で訪問している陸前高田は徐々に瓦礫が片付けられる様子を実感する事ができた。さらに8月には海から少し離れたところに新しいスーパーの店舗がオープンし、その周りにコンビニエンスストアや地元製菓メーカの店舗、携帯ショップなどが立ち並び人々の活気ある生活を見る事ができた。

その間酔仙酒造も新しい醸造設備を岩手銘醸様から借りることができ、今期の新酒の仕込みにむけて準備を進めてきていた。今回の訪問は今までの中で最も酔仙酒造が復興に向けて進んでいる事を実感できる訪問となった。というのも、蔵について私が目にしたのは、大勢の職人の方たちが新酒の仕込みにむけて汗を流す活気にあふれる光景だったからだ。

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酔仙酒造は震災直後に一旦解雇した社員の中から、14名を8月末日で再雇用している。社員が戻ってきた醸造施設内では、初洗米の準備が進められてい た。そこにはなれない設備のなかで様々な工夫をし、どうにか新酒の仕込みを始めるようと奮闘する職人たちの姿があった。当初は訪問した当日、9月2日に初 洗米を終え、翌日にはお米を蒸かしてタンクに移す予定であった。
しかし洗米機が思った通りに動かない。蔵の奥から代わりの洗米機を持ち出し、洗米を行える目処はたったが、今度は洗米したお米を蒸かすために釜に移す方法を新たに考える必要があった。
「実際にここで仕込みを始めるといろんな事が起きる」と製造担当の金野泰明氏は語る。勝手のちがうこの新しい蔵では、陸前高田の以前の蔵で当たり前のよう に行ってきたことが、思うようにうまくいかない。結局この日の初洗米は延期となり後日に持ち越された。ただ、「まずは洗米ができることがわかったので、 ほっとしている」と泰明氏はいった。その言葉からは震災以降一歩ずつ復興に向かって歩み、ようやく新酒の製造を始められるという喜びを感じる事ができた。
これからも仕込みを進めていく中で思ってもみなかったトラブルにあうことももあるだろう。しかし、今回のトラブルのように職人達が意見をもちよる活気のある蔵が戻ってきた以上、解決できない問題はないと感じている。

週明けの9月5日に公開した新しいWebサイトには、その日のうちにTwitterで酔仙酒造のファンの方からたくさんの応援メッセージが届いた。担当の私としてもこの仕事に携わる事ができて非常にうれしく思えた瞬間でもあった。
酔仙酒造は新酒の製造開始という大きな一歩を踏み出そうとしている。
お酒作りに情熱を注ぐ職人たち、それを支える経理や販売担当の社員の方々。そして温かいファンの皆様。これだけ酔仙のお酒を愛する人がいれば、復興はかならずできると信じている。

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